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the End of AnimeLife

『あまちゃん』感想文エッセイ同人誌を出しました http://eal.hatenadiary.jp/entry/amaj

アイドル・マジェスティック・スタンド

これはフィクションであり、実在する団体や個人とは関係ありません。また、資料的価値も一切ありませんので、あしからず。

デビュー時にスマイレージがキャラをアピールするようになったのは、いわゆるアイドル戦国時代ブームと関連があると思われます。ハロプロ以外にも、AKB48ももいろクローバーK-POPアイドルなどの活躍により、多種多様な盛り上がりをみせる女性アイドル界隈。いつしかそれはアイドル戦国時代と呼ばれるようになりました。

きっかけはももクロでした。平成のかぶき者を名乗るももクロは、AKB48に宣戦布告しました。戦局は泥沼化し、すでに数ヶ月が経過していました。そのようななかで、和田彩花前田憂佳福田花音小川紗季からなるハロプロの4人組としてスマイレージは2009年に結成され、2010年にメジャーデビューしました。

ハロプロはアイドルの老舗であり、多くのファンを獲得していて、多くのメンバーや首脳陣は、その戦況を無視していました。勝者を生まない無益な争いはさらに多くの血を流すことになるだろう。そのように考えていたのです。ところが、スマイレージは、その中でも特に福田花音は、アイドル戦国時代というブームに、あえて積極的に乗る姿勢をみせました。自身のブログのタイトルを「アイドル革命」に変えて、ことあるごとに「いまアイドル戦国時代じゃないですか。私たちは負けません!」と、繰り返し発言するようになったのです。

スマイレージのメジャーデビューを目前にしていた2010年、福田は自らが「シンデレラの生まれ変わり」であることを告白。ここにシンデレラ福田が誕生しました。実際に彼女がシンデレラキャラをファンに披露するのは、メジャーデビュー後の、2010年の4月頃からでした。スマイレージになる前の彼女はハロプロエッグ(ジャニーズにおけるJrのような育成チーム)に在籍していて、歌唱や演技に定評があり、エリートコースを歩んでいました。それが突然「シンデレラの生まれ変わりです」と言い出したので、正直、とまどったファンは多かったのかもしれません。

そのキャラはまるで、番組の司会者などから矛盾点を指摘して欲しいといわんばかりの、大胆な間違いぶりでした。これは、お笑い芸人の「キャラ崩壊」に近い現象でしょう。その場の思いつきだという「ネタばらし」を、あらかじめ告白する、つまり、彼女のシンデレラキャラとは「とりあえずそういうキャラを作っていますから私は」というものだと、ぼくは感じました。お調子ものだけど理屈っぽく知ったかぶり。そんな福田は、メディアから影響を受けやすい性格だということに、ぼくは気がつきました。お笑い芸人の「キャラ設定」をそのまま持ち込んでしまう。テレビや雑誌が宣伝するアイドル認識をそのまま受け入れてしまう。アイドル戦国時代という言葉にいち早く乗ったのがそうです。

福田は、自らアイドルヲタであることをことあるごとに公表しています。ハロプロ以外のアイドルのなかにも、アイドルヲタ的なアイドルは少なからずいるようです。現在、アイドルとして活躍する彼女たちの幼い頃に、モーニング娘。の全盛期があり、そして、モーニング娘。ハロプロのオーディションに落ちた後に、他社のオーディションに合格してアイドル活動をやっている子が、アイドルヲタとしてハロプロを語ります。

福田は、やはりハロプロが好きなのです。だけど老舗ハロプロのエリート騎士である福田が、他社のアイドルについて不用意な発言を行ってしまうのは、なぜなのか。どうして福田は、他社のアイドルが気になるのか。いや、たとえ気になっているとしても、ごく簡単に「頑張ってくださいね」で済ませていいのではないか。彼女が自分のユニット「スマイレージ」を本当に愛しているというのは、彼女の活動の本気さ、歌唱パフォーマンスでの頑張りから、はっきりと、わかります。

ぼくの友人は「福田は強がり」だと言う。そして「他社のアイドルも好きというか気になってしまうけれど、彼女自身はスマイレージなのだから、ファンには自分たちや身内であるハロプロのことだけを好きでいて欲しい。そう思っているはず。だから例えば、モーニング娘。道重さゆみは、それを汲みとって他社については突っ込んだ発言はしないけれど、花音はその点が危うい。だから、花音には、いまだ定まっていないところが、みえてしまう」と、言っていました。その友人は、こうも言っていました。「デビューしたばかりのスマイレージのコンサートや歌唱は、他のハロプロの先輩に比べると、まだまだ勉強しなければならないところもあるでしょう。それでも、一切手を抜かず最後までやり切る気合と度胸は、さすがハロプロだなと感じさせるものがあります。彼女たちはもともとハロプロエッグとして鍛えられていますし、今後ますますレベルアップしていくことでしょう。そのなかでも特に花音は、多少体調が悪くても投げ出さない根性があります。また、シンデレラキャラやアイドルオタクキャラなどのキャラの作りこみに熱心なのは、花音の頑張り屋さんな性格がそうさせたのかもしれません。その程度のことは、やれるだろう」と。ぼくは花音の親代わりを引き受けようとしていたから、応援しようという気持ちはあって、完全に同意しています。それでも、このままで大丈夫だろうかと心配になったりも、してしまうのです。

他のハロプロのタレントに比べて、生意気で子供っぽくて勢いのいい面子が揃うスマイレージ。特に福田花音は他社のアイドルをライバル視する発言が多く、それもあってスマイレージは、ハロプロにしては「好戦的」なグループ、すなわち「アイドル戦国時代」に対抗したものだと、一部のファンからは考えられています。ぼく個人は、先に書いたようにアップフロントは堅実であるのだからそれでいいだろう、だから迂闊に「参戦」したとは考えたくない。でも、他社のアイドルグループばかりがマスコミに取り上げられる日々に呆れつつも、正直くやしいと感じていました。無益な争いは好まないのだけれど、ハロプロここにありと高らかに宣言してもらいたい。そういう思いは常にありました。

もちろん、リーダー和田彩花や他のメンバーだって、自分たちの活動に積極的なのは間違いありません。他社のアイドルとの合同イベントの前日には『生スマ』(スマイレージUSTREAM番組)にて新曲のコール指導を行うなど、戦略的に動いていました。

そして彼女たちは、2010年の日本レコード大賞最優秀新人賞を、見事に受賞しました。その日ぼくは冬コミの前日で居酒屋にいたのですが、たまたま隣に座っていた二人組が「新人賞!?」とざわざわと興奮していたので、即座に自分のタイムラインでその知らせを確認して、ぼくは嬉しくて泣いてしまいました。これで彼女たちはようやく正当に評価されたのだなと。スマイレージの名前は音楽史の1ページに刻まれ、次のステージに移行したのだと、感慨にふけったのでした。

そして2011年、スマイレージは新たなに生まれ変わることになります。ハロプロのなかでもトップクラスの歌唱力が期待されていた小川紗季の脱退と、それに伴う新メンバー加入。初期メンバーの3人はそれぞれ決意を新たにしました。

そう思っていたのに、前田憂佳が突然に引退を表明してしまった。進学が理由であり、彼女自身がそう決意することは、生半可なものではなかったはずです。

アイドル戦国時代に参戦する

たかみゆきひさは、ブログでこう書いています。

いずれにしてもいろいろと話し合い、学業と仕事を比べた結果、前田憂佳は仕事を選択しなかった、そして事務所はそれを飲んだということだ。
その決断は決して生半可なものではないはずだ。
とは言え、ひとつの懸念が僕の中にある
スマイレージはこのところもの凄いスケジュールの切り方でイベントその他露出を頑張っている。
同じスマイレージのメンバー福田花音が某イベントで
『アイドル戦国時代と言われていますが、スマイレージが先頭を走っていけるようになりたい』
と言ったようにスマイレージは良くも悪くもアイドル戦国時代のど真ん中に自らを投じてしまっている。
■続・アイドルの仕事と学業の両立!|たかみゆきひさオフィシャルブログ「shadowcube」Powered by Ameba

ぼくのなかでは、ゆうかりん脱退でアイドル戦国時代は静かに終戦した。

たかみ氏が福田に何か説教したい、そういう思いがあるのかもしれない。

福田花音にこのままシンデレラをやらせておくのか?

しかし、それを決めるのは我々ではく、彼女自身だ。いま彼女は何を考え、何を思うのだろう?

小川紗季前田憂佳の脱退は予想外だったけれど、シンデレラキャラは彼女のなかで、まだまだイケてるのだろうか。自らもアイドルファンであるという福田が、過去のアイドルからアイデアを流用したのか、それとも「無理してキャラを作ってるアイドル」を自分自身で楽しんでいるのかは分からない。けれど、もう無理だと感じたら、早々に「キャラ変」したほうが賢明だと思われます。アイドルとしてのキャラ作りは無理をせずほどほどに、といったところでしょうか。

新生スマイレージとともに福田にも変革のときが必ず訪れるだろう。遅かれ早かれ、いずれ福田は「脱シンデレラ」宣言を行うものとぼくは考えていて、そのときが来たら「計画通りだ」とニヤりとするいっぽうで「大人になったな」と一抹の寂しさを感じるのかもしれません。だから、今のうちに彼女をじっくりと見ておくのがいい。今の彼女の迷走ぶりも後で笑い話になる時が、必ず来るのです。

もっともぼくは、そんな福田の「無理してますよ~」のようなアピールは嫌いではない。わたし頑張ってる感があって、いいじゃないですか。どうですかね。


2011-12-05