the End of AnimeLife

ファイブスター物語まとめブログ/過去にNHKあまちゃんまとめ記事あり

あまちゃん見ました

 めったにテレビドラマを見ないぼくが、今年の5月になって、アイドルファンが密かに注目しているというNHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」を毎日見るようになった。きっかけは中森明夫のツイートだったと思う。

能年玲奈】「あまちゃん」に関する中森明夫さんツイート全集!【橋本愛】 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2136817611853771801

(ニュースQ3)じぇじぇじぇ、朝ドラ「あまちゃん」が好調 (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130508-00000004-asahik-soci

NHKの朝の連続テレビ小説あまちゃん」が好調です。朝日新聞デジタルの記事によると、5月6日までの平均視聴率は19.3%(関東)と、高視聴率を記録。主人公のあまちゃんことアキのかわいらしさや、ストーリーの明るさ、テンポのいい笑いが楽しいドラマ。主人公たちが驚いた時に使う方言「じぇじぇ」は流行語の兆しを見せ、ロケ地には多くの観光客が訪れているそうです」
あまちゃん」サントラに”あの曲”が入っていない理由(岡田有花) - 個人 - Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/okadayuka/20130511-00024889/

 テーマソングが軽快なインストなのが、まず気にいった。主人公「天野アキ」を演じる能年玲奈の顔も自分の好みだった。
 見ようかどうか迷っているひとへ。宮藤官九郎脚本のリズムが合えば面白いかも(と言ってもぼくは彼が手がけた作品をほとんどまったく見ていない)。80年代アイドルネタ満載でおっさんホイホイですが内容は普通の朝ドラです。今は東北の田舎が舞台ですが、やがて主人公は上京してアイドルグループの一員になるらしいのです(ウィキペディア参照→あまちゃん - Wikipedia ※ネタバレ注意!)。
 いま放映しているのは2008年の話。

第7週 5月13日(月)~5月18日(土)
「おらのママに歴史あり」
アキ(能年玲奈)の誕生パーティーで忠兵衛(蟹江敬三)が爆弾発言。アキは、春子(小泉今日子)の隠された過去を知る。若き日の母の姿をもっと知りたいアキは、春子がかつて使っていた部屋を探り、町の人々に話を聞いて回る。次第に分かってくる春子がかつて抱いた大きな夢や、夏(宮本信子)との衝突、家出の理由に驚きを隠せないアキ。一方、地元テレビ局の番組に出演も決まり盛り上がるユイ(橋本愛)は、一緒に上京してアイドルを目指そうとアキを誘うが、すかさず春子に反対される。その頃、忠兵衛が遠洋漁業の漁師を引退することを突然宣言し、スーパーの鮮魚売り場で働くことに。どうやら心臓の調子が良くなく医者に止められたらしい。正宗(尾美としのり)も勝手に地元タクシー会社への就職を決めてきて、天野家は5人家族に。さらに、リアスには風変わりな青年・水口(松田龍平)が現れる。何と琥珀に興味があって勉(塩見三省)に弟子入りしたという。海への思いが断ち切れない忠兵衛は、職場から逃亡。再び遠洋漁業に出たいと言い出す。別れの辛さをこらえる夏に、アキと春子が寄り添う。そして、忠兵衛の送別会、ついに春子が長年封印してきた歌を歌う瞬間が?!
http://www1.nhk.or.jp/amachan/story/index.html

 主人公の母親「天野春子」(小泉今日子)が少女時代をすごした部屋がそのまま残っていて、そこに80年代当時のアイドルの写真やグッズが満載。懐かしのアイドル話になるとNHK収蔵のVも流れる。まあその程度のことだったのですが、今日の放送で、母親がかつてアイドルを目指してたってことで、視聴者は小泉のアイドル活動とダブらせて(最近の「なんてったってアイドルは嫌」発言も含めて)どうしても見てしまう。演出にはそういう狙いがあるのだろう。今のところ主人公のアキは、アイドルになりたい!ってわけじゃない。友人はアイドル目指してることを公言している。
 ところで、ぼくはハロプロファン。これまでにも過去のアイドルを語った物語はあったが、あまちゃん世界が我々アイドルファンにとって「偽史」(もうひとつの世界)たりえるのは、簡単に言えば、パロディや引用センスの卓越さだ。

あまちゃん世界にアイドル「小泉今日子」は存在しない

スタッフからの挑戦状!?NHKあまちゃん』のアキの誕生日は何日? - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2136827586277428901

 天野アキは2008年で高校2年生。
 「2013年今現在だと21?で学年で言うとやじまのキャプもも?」とハロプロファンの仲間から教えてもらった。なるほど、その年代か。

「1980年代、アイドルがテレビで輝いていたころ。中学生の春子は、自分もアイドルになりたくて、いくつものコンテストに応募していたのだ。真剣にアイドルを目指したかつての春子を知って、アキは驚く」
http://tv.yahoo.co.jp/program/?sid=67486
http://moegino.tumblr.com/post/50384991029

春子「アイドルっていってもあれだよ? なんだ今みたいにほら…,人数の多いあの…」 アキ「モーニング娘。?」 春子「うん,それとかあのほら,なんだあのほら,やたら人数の多い…」 アキ「AKB?」 春子「うん。それとは,根本的にちがうわけ」
https://twitter.com/inyou_te/status/334318495695249408

あまちゃん「人数が多いモーニング娘、AKBとは根本的に違う訳。今は歌を歌う人はアーティスト、演技する人は女優、モデルはモデル、グラビア専門の人がいる。すみ分けができてるでしょ?でも昔は全部アイドルがやってたの。そのはしりが百恵ちゃんね」
http://twitter.com/kazshin/status/334296782240636928

 ハロヲタとしては、春子「アイドルっていってもあれだよ、今みたいに人数が多いっていう…」アキ「モーニング娘。!?」に高まった。2008年はハロプロファンが言うところの「プラチナ期」(在籍メンバーは後で調べる)。この後に「あと、もっともっと人数の多い」「AKB?」って会話は続いた。ここで春子は酒を取りに行く。ビールを飲みながら春子は「夢中だったのよ聖子ちゃん」「憧れこそがアイドルの条件」と、自らのアイドル論を展開する。
 フィクションだからか、またはNHKだからか、ドラマ内に出てくる番組名などは架空のもの。しかし…

ユイとアキにテレビ出演をオファーするテレビ局の名前が「岩手こっちゃこいテレビ」。
岩手めんこいテレビ(フジテレビ系列)のパロディ?
http://matome.naver.jp/odai/2136850320528780101?&page=4

あまちゃんキョンキョンが語るアイドル論。百恵と聖子が同時に存在した「80年夏が黄金期」「応援してると元気が出て来るのがアイドルの条件」。そして彼女は『君でもスターだよ!』にデモテープを送った…これは81年に小泉今日子が『スター誕生!』で不合格に終わったパラレルワールドか!?
http://twitter.com/Tshmz/status/334084473706659840

 ここから、エヴァンゲリオン的な想像をしてみる。松田聖子などは実名なのにオーディション番組名は架空のものというパラレルワールドが、あまちゃん世界。あまちゃん世界で春子が語る80年代には松田聖子YMOもいるが、「小泉今日子」だけが存在しない。ということは「なんてったってアイドル」という曲も、それが後に影響したことも、なかったことになっている。それはつまり、春子=小泉自身が望んでいた世界ではなかったか?

アイドルファンにとってのあまちゃんのヱヴァンゲリオン新劇場版感(ループ?)

 中田健太郎氏の発言を応用すれば、物語としての「アイドル」とは常に完結せず、「アイドル物語」本編(現実世界のこと)においても「定本」は存在しない。定本がないのにも関わらず、我々ファンは「アイドル」について良く知っている(あくまでもメディアを通してのアイドルを指す)。その、常に完成されたことがなかった「アイドル」の、完成されていないこと、そのものを、あまちゃん世界では、リメイクではなく"redo"する。そこが問われている。(参考文献『ユリイカ 2013年5月』)

「あの宮藤官九郎が、一周して王道をやっている爽快感、引き受け方」
「社会的文脈をもった俳優たちの中に能年玲奈がいることの意味」
「エンタテインメントにおいては、覗き見、覗き聞きが一番色っぽい」
TBS RADIO 東京ポッド許可局 2013年5月10日 第6回 - TBSラジオ 東京ポッド許可局
http://www.tbsradio.jp/tokyopod/2013/05/post-13.html

あまちゃんの今後(妄想) と「萌え」の問題 | サンキュータツオ教授の優雅な生活
http://39tatsuo.jugem.jp/?eid=1233

 上記ブログでサンキュータツオが言っているように、ぼくら視聴者は、あまちゃん世界にも、やがて311が訪れることを知っている。彼の論を応用すると、311を体験してあまちゃん最終回はヱヴァQラストのようになる?

追記

さやわか

お知らせ

 あまちゃん感想文エッセイ同人誌を頒布しました。詳しくは下記のブログをご覧ください。通信販売も行っています。