読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

the End of AnimeLife

『あまちゃん』感想文エッセイ同人誌を出しました http://eal.hatenadiary.jp/entry/amaj

アキの方言

 以下の文章は、あまちゃん同人誌アウトテイク。


 周囲を明るくしてしまう天性の持ち主であり、こうと決めたら一直線に猛進する。天野アキはそんな女の子だ。そして、東北訛りが可愛らしい印象だ。アキの訛りは生まれつきのものではない。生まれも育ちも東京であるアキは母親の春子の故郷である岩手県の北三陸に移り住んで、そのまま短期間で地元の訛りを覚えてしまった。春子は訛っていないので元々は標準語だったアキなのだが、数ヶ月ですっかり北三陸の人間となってしまった。アイドルになるべく再び東京で生活するようになっても、北三陸の訛りは抜けず、もはや標準語を話せない田舎者となってしまったアキ。初出演のドラマ収録で訛りが抜けずに、何度も失敗してしまうほどであった。
 アキは東京出身なのに、訛りが抜けないのはなぜなのか。アキの訛りは方言コスプレではないのかという意見をみたことがある。方言コスプレとは、可愛らしさやキャラ作りのために、実際の会話やウェブなどでわざと方言を使うという、若者の流行のことだ。荒巻プロデューサーが意地悪く、キャラ作りのためにわざと訛っているのかとアキに質問していたシーンもあった。
 アキの訛りは「作られた」ものには違いない。しかしアキの場合、そうなるべくしてなったのだ。東京でのアキは、地味な少女だった。あまりにも地味すぎて、いじめられることさえなかったという存在感のない人物だった。そのような少女が、北三陸の風土や地元民に感化され打ち解けていく。次第にアキは、底抜けに明るい少女に変わっていった。アキは北三陸で生まれ変わったのだ。
 東京で暮らしていた頃の、暗くて地味な少女には戻りたくない。そういうアキの思いがある。だからアキは北三陸の住人となった。その証が、訛りなのだ。アキにとって訛りとは、無意識のうちに身につけた心理的な防衛策、生きるための手段だったのだ。


 冬コミ参加予定
 31日「はなごよみ」http://twitcmap.jp/?id=0085-3-RAh-46-a
 何か新しい本を出すかも?